学生奨励賞(2024年度)

受賞者

阿部 省吾 (アベ ショウゴ)氏

慶應義塾大学 薬学部 薬学科 6年

(研究テーマ)医薬品の消化管吸収に対する ultrafine bubble の影響 ‐ヒト腸細胞透過性評価-

授賞理由

受賞者は、医薬品の消化管吸収に対するウルトラファインバブル水の影響を in vitroにて緻密に評価を行ってきました。とくに in vitro 膜透過試験では薬物の透過性を決定する腸細胞単層膜の作成と超微量薬物の精密定量が不可欠です。受賞者は熱心な研究姿勢と種々の卓越した研究技術を習得し、駆使することで、ウルトラファインバブル水の生体応用可能性を、日本で初めて示すことに成功しました。以上の功績を讃え学生奨励賞を授与いたします。


⼩俣 絵⾥佳 (オマタ エリカ)氏

慶應義塾⼤学⼤学院 理⼯学研究科 開放環境科学専攻 修⼠課程2年

(研究テーマ)超純⽔中の空気ウルトラファインバブルの膜トラップ特性に関する研究

授賞理由

受賞者は水中のウルトラファインバブルの膜分離とトラップ性の研究に取り組みました。その成果は2023 年の国際会議ISST23、2024年の化学⼯学会第89 年会と国際会議GLS-16 で発表されました。この研究は経済産業省の国際標準化テーマ「ファインバブル応⽤-⽔中ウルトラファインバブルの配管狭窄部や微細孔通過による逸失に関するデータの収集と分析」を担っており、ファインバブル国際標準化を牽引しています。以上の功績を讃え学生奨励賞を授与いたします。

受賞歴

2019年東京都知事賞                                                 

髙⽊ 彩也⾹ (タカギ サヤカ)氏

Technical University of Hamburg 修士1年生

(研究テーマ)ウルトラファインバブル⽔に浸漬されたガラス板付着微粒⼦の超⾳波洗浄

授賞理由

受賞者は2022 年よりウルトラファインバブル⽔と超⾳波との併⽤洗浄の研究にとりくみ、2023年の化学⼯学会第89年会で共著者として成果を発表しました。2023 年よりドイツに研究留学し、1個のマイクロバブルから⽔中へのガス吸収挙動を可視化し、2024年にドイツ開催の国際会議GLS-16で発表しました。欧州においてファインバブル研究への注目を拡大した功績を讃え、学生奨励賞を授与いたします。

2023年Malaysia Sustainable Development Goal Special Symposium
学生コンペ 金賞受賞

⻑⾕川 建 (ハセガワ タケル)氏

筑波⼤学 大学院理工情報生命学術院 博⼠前期課程2年

(研究テーマ)マイクロバブルを⽤いた超⾳波がん治療のための数理モデル

授賞理由

受賞者はマイクロバブルを用いた超音波がん治療のための数理モデルを研究しています。安全ながん治療に資する知⾒を提供する⽅法論の構築を、⾃ら⽴案・計画しています。その研究成果は学術論文誌に掲載されたほか、招待講演を含む国際会議発表2 件、国内学会発表10 件を発表するなど精力的に活動しています。以上の功績を讃え学生奨励賞を授与いたします。

受賞歴

2021年筑波大学 副学長表彰
2023年筑波⼤学 理⼯学群⻑表彰
2023年筑波大学 副学長表彰
2023年日本機械学会 畠山賞
2023年⽇本機械学会関東学⽣会 第62回学⽣員卒業研究発表講演会
Best Presentation Award
2023年⽇本計算⼯学会 夏季学⽣講演会 優秀ポスター賞
2024年Support Grant Winner of ICTAM 2024, The International Union of Theoretical and Applied Mechanics (IUTAM)
2024年⽇本機械学会 第36回バイオエンジニアリング講演会 優秀ポスター賞

平瀬 仁美 (ヒラセ ヒトミ)氏

慶應義塾⼤学⼤学院 理⼯学研究科 開放環境科学専攻 修⼠2年

(研究テーマ)⾼速加振された貧溶媒中での空気ウルトラファインバブル⽣成

授賞理由

受賞者は、空気で飽和したエタノールの貧溶媒化を利⽤したウルトラファインバブル⽣成の研究に精⼒的に取り組んでいます。その成果は2つの国内会議、混相流シンポ2023と化学⼯学会第89年会、2つの国際会議、ISST23とGLS-16で発表されました。以上の功績を讃え学生奨励賞を授与いたします。


前田 優希 (マエダ ユキ)氏

岩手大学大学院 総合科学研究科 理工学専攻 電気電子通信コース 修士2年

(研究テーマ)ファインバブルによる水中パルス放電の発生効率への影響

授賞理由

受賞者は国内外の多くの研究者とともに議論を深めながらファインバブルとプラズマを融合した研究を進めています。溶液中に懸濁させたファインバブルの数濃度を上昇させることで絶縁破壊電圧を低下させ、プラズマの生成効率を飛躍的に増加させることを試みています。その成果については学術論文誌に投稿中のほか、3件の国際学会発表、2件の国内学会発表で報告しています。以上の功績を讃え学生奨励賞を授与いたします。

受賞歴

2022年The 7th Taiwan-Japan Workshop on Plasma Life Science and Technology/ Excellent Poster Award受賞

水野 裕貴 (ミズノ ユウキ)氏

名古屋大学大学院工学研究科 化学システム工学専攻 安田研究室・M2

(研究テーマ)ウルトラファインバブルによるコアシェル型金属ナノ粒子の合成

授賞理由

受賞者はウルトラファインバブルを利用した白金―金のコアシェル型ナノ粒子の粒子形状の制御に成功し、高い触媒性能を有することを明らかにしています。この成果は1本の査読付き学術論文と、2件の国内学会:第32回ソノケミストリー討論会および第55回化学工学会秋季大会で発表されました。また1件の国際会議Nanobubble 2024で発表されます。以上の功績を讃え学生奨励賞を授与いたします。


安⽥ 直喜 (ヤスダ ナオキ)氏

慶應義塾⼤学⼤学院 理⼯学研究科 開放環境科学専攻 修⼠1年

(研究テーマ)空気を含む⽔蒸気の急速加圧凝縮によるウルトラファインバブル⽔⽣成

授賞理由

受賞者は⾼速加圧凝縮法によるウルトラファインバブル⽣成と、ウルトラファインバブル⽣成メカニズムの実証実験の研究に取り組んでいます。その成果を2024年の化学⼯学会第89年会と化学工学会第55回秋季大会で発表しました。これはファインバブル関連企業との共同研究で、新規なファインバブル製造装置の実現に使⽤される重要な成果です。以上の功績を讃え学生奨励賞を授与いたします。


山本 竜也 (ヤマモト タツヤ)氏

大阪公立大学大学院 工学研究科 物質化学生命系専攻高分子化学研究室

(研究テーマ)ファインバブル水処理によるOHラジカルを用いた有機物分解反応

授賞理由

受賞者は、酸素ファインバブル水による難分解性有機物の分解について研究を行ってきました。クマリンをOH ラジカルの捕捉剤として用い、クマリン溶液を酸素ファインバブル水によって処理し、酸素ファインバブル の圧壊による大量のOHラジカル発生の示唆を得ました。その成果は2023~2024年の国内学会で発表されました。以上の功績を讃え学生奨励賞を授与いたします。